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Life Hammer History
 1982年5月、当時、測量機械開発会社のオーナーであり、また技術者であったHelmut Lechnerは、オフィスから帰宅途中、ちょっとした運転ミスで 車が車道から逸れ、横転するほどの大事故を起こしてしまいました。
幸い、シートベルトのおかげで大事には至らずにすみましたが、事故後、自身で脱出を試みた際、 彼は2つの大きな問題があることに気付きました。
 その1つは、通常の姿勢であればボタン1つで解除できるはずのシートベルトのリリースボタンが、宙吊りの状態であったためベルト部に彼の全体重がかかり、すぐに 外れず解除するのに非常に長い時間と手間がかかってしまったこと。
 次に、事故により変形してしまったドアが開かなかったことです。しかも、バッテリーの損傷によりパワーウィンドウが作動せず缶詰状態になってしまいました。 その結果、彼の車からの脱出は、発見者からの通報によるレスキュー隊の救助を待たなければならなくなってしまったのです。
 シートベルトや強化ガラスなどの安全テクノロジーが、事故の状況によって脱出時に大きなネックになってしまうことを身をもって知った彼は、交通事故に遭遇した際に 素早く、容易に脱出できる専用ツールの開発を思い立ちました。
 近年の車のウィンドウは「合わせガラス」や「強化ガラス」の採用により、足で蹴ったり、インパクトポイントの広い通常のハンマーや石などでは容易に割ることは できません。また、シートベルトのナイロンも強度を確保するため非常に目が細かく作られており、切断するには鋭利なカッターなどを使用しなくてはなりませんが、 鋭い刃物類を車内の置くことはあまり望ましくありません。
 約2年近い試行錯誤の末、1983年、ついに画期的なセイフティーツールライフハンマーが完成しました。
 左右2つの特徴ある形状の金属ヘッドは、絶妙のウエイトバランスと相まって力の弱い女性や子供でも簡単にウィンドウを割ることができます。 全長18cmというコンパクトなボディサイズは、狭い車内でも使いやすい設計になっています。また、ベルトに引っ掛けて一瞬でシートベルトを切断するカッター部は、 カッターの刃に手や指が直接触れないセイフティ構造になっています。そして、暗闇でもハンマーの位置が確認しやすい蛍光ピンが付いたホルダーがセットされていて、 ドライバーの手元近くのカーペット部に簡単に装着できるようセッティング用の特殊な針が内蔵されています。
 1983年の新製品発表と同時に25万本を売り上げ、ワールドパテントも取得しました。ヨーロッパでは多くの国々のパトロールカーに標準装備されています。 ライフハンマーは、シートベルトに次ぐ保安安全ツールとして世界各国の交通安全協会からの安全基準部品として推奨され、数々の栄誉ある賞を受賞しました。
 現在では、ヨーロッパの多くのカーメーカーからのオプション純正指定を受け、ドイツなど幾つかの国では、観光バスやタクシーなどにライフハンマーの取付けを 義務付けている都市もあります。